第236章

島宮徳安は一晩じゅう不機嫌だった。夕食にも手をつけず、帰宅するなり自室へ引っ込んで、それきり顔を出さない。

 食卓で、島宮奈々未が首をかしげるように海人と太郎へ訊ねた。

「おじいちゃん、どうしたの?」

 夏目太郎がけろりと言う。

「ママ、ほっとけばいいよ。おじいちゃん、もうお腹いっぱいなんだって」

 そりゃそうだ。怒りで腹が膨れたってやつだ。

 島宮奈々未は今度は夏目海人を見た。

 夏目海人がさらっと続ける。

「ママ、ほんとにお腹いっぱい。それからね、おじいちゃん、『お姉さんとは結婚しない』って。お姉さんとケンカ別れしたって言ってた」

「なにそれ?」島宮奈々未の野次馬根性に...

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